球春やドロップカーブ待ちかねて

すったもんだの末に、プロ野球は4月12日セ・パ同時開催となりました。震災・原発事故の影響があったことはもちろんですが、守銭奴的な大人の計算も働いたようで釈然としないものが残りました。選手の意志表明が明快・迅速で立派だったことには、「真実は現場にある」を再認識させられて、清々しいものがありました。野球マンガの草分け、昭和33年に「おもしろブック」に連載された貝塚ひろし作画「くりくり投手」に登場する史上初の魔球が、落ちてから曲がる「ドロップカーブ」と、球が二つに見える「タマタマボール」でした。当時、漫画雑誌は月刊が主流で「少年」、「少年倶楽部」、「冒険王」、「漫画王」などを読みあさったものです.(4/4)

槌音の交響春を励ませり

5年経って,10年経って、100年経っても色褪せないというのが、優れた作品の条件だと言われている。その通りだとも思う。その時の時事・人事・風俗を題材にしたものは、その事実が忘れられると、作品の含意も理解されなくなってしまう。経年劣化し易いということだろう。けれどその事は、その時においてこそ強いインパクトを持っていたとも言えるのではないだろうか。自衛隊員が、消防隊員が、医師が、看護師が、一心不乱に活動している様子を見るにつけ、自分の無力に胸が痛む。ひとつの作品が残ることより、一人の人間が行き続けることの方がずっと大切なのだと、当たり前のことが痛感される。(4/1)

ゴスペルの喉林立して春の山

本来は宗教音楽であったゴスペルソング(ゴスペルには福音という意味があるそうだ)だが、重く訴えるようなイメージから、明るく励ますようなニュアンスへと変化してきたような気がする。そして、宗教世界にとどまらない広い支持者を獲得するに至っている。そう、言ってみれば「人生の応援歌」といった役割を果たすようになってきているのだ。と、回りくどく説明してしまったのは、日本版ゴスペルソング・アルバムを制作したからである。タイトルは「されどわれらが日々」、あの柴田翔氏の名作青春小説から頂いた。もちろんご本人の承諾を得てのことである。そのライヴ・コンサートを、この春に開催しようという次第である。(3/29)