天晴れな二人のままに蒲団打つ

気持ち良く晴れた新年だもの、歩こう歩こう。で、散歩と相成った。二日はする事も待つ事もほとんど無いので、少し遠くまで出向いてみようということになった。路上観察、鵜の目鷹の目でキョロキョロの鈍足歩行。注連飾りをしている家は、かなり見掛ける。が、日の丸の旗を垂らしている家は、めっきり少なくなっている。むしろ、門松を飾った立派な家の方が多いくらいだ。日の丸を見つけると「どんな人が住んでいるのかしら」と、愚妻など訝しがるくらいである。南側のベランダに蒲団を干している家など見つけると、気持ちがほころんで来る。「ああ、ここには古き良き日本が呼吸している」と懐かしい思いに和んでしまうのだ。家は古びた二階建てが良い。干してあるのは敷き込んだ煎餅蒲団が良い。蒲団を打っているのは団塊世代の叔母さんが良い。それを見上げているのは、火急に成すべき事も無くのんびり生きている団塊世代の叔父さんが良い。つまりは、僕である。蒲団(1/5)

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