数珠玉の枯れ尽くしてや無季無題

絵画作品には「無題」と名付けられたものが多い。デザインするということが「存在させる」という意味であれば、創造したものに名付けるまでが制作者の努めであるはずだ。なのに、自分の創造した作品に「無題A」だの「作品B」だのと匿名性を持たせたままに公表してしまうのは、どうも責任の放棄のような気がしてならない。もったいない。全国の喫茶店で一番多く使われている店名は「角」らしい。立地から来ているのだろう。この国の絵画に一番多く使われているタイトルが「無題」であるだろうことは想像に難くない。安易である。俳句がわずか十七文字の組み合わせの中に新しいイメージを創出しようとするように、絵画のタイトルも、なんとか頑張って表題(言葉)とのぶつかり合いから新しいイメージを感受させて欲しいものである。数珠玉(10/11)

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