伽藍堂海馬眠らせ星奔る

脳の中でどういう事が起っているのか、頭で考えてもどうにも思い至らない。自分の脳だもの、多少はコントロールしてみたいと躍起になるのだが、如何とも成し難い。何はともあれポジティブ・シンキングを、と試みるのだけれど、悲観論だかりが頭をもたげて来て、二重の意味で自己嫌悪に陥ってしまったりして。まったく笑っちゃうしかない次第と相成るのである。そういう自分を投げ出してゆっくり眺めているとこれまた面白く、表層部分は事程左様であるが、奥の方にはそんな事に忖度しない屈託のない伽藍堂が広がっているのに出くわす。嗚呼、この広々とした暗闇は、なんと心地よく明るいのだろうと感受できて、しばし幸福に浸れるというものである。星奔る(8/12)

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