マリオネットの喜劇を泣くやいぬふぐり

新宿の小さな小屋でニューマリオネットの演芸を観る機会があった。伊原寛・千寿子の夫妻である。吊り人形そのものもご自分で作るということ。昭和36年に独立というから、幾つかの人形立ちは50歳ということになる。だからであろうか、可憐でユーモラスな動きの奥に深淵な底光りのようなものが現出していて、ただ笑って済ませるというわけにはいかない。それにしても横に立っているだけの奥様はどんな役目をしているのだろうと心配していたら、最後の「花笠音頭」で共演してくださった。安心するとともに、夫婦とはこういうものかと感心もした。涙が出そうになった。(2/18)

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