寒菊や惹句にうつつのランカイ屋

還暦を過ぎてから出会った最高の友は七痴庵である。といっても、ある句会で一度会ったきりだが。まあ、往復書簡のようなことを続けている。彼の営む古本屋を「なないろ文庫」といい、そこから「ななちゃん」の愛称が生まれ、俳号「七痴庵」へと至ったらしい。彼は古書店界に知らぬ者とてない情報誌「彷書月刊」の編集長でもある。ランカイ屋というのは、店を持たず古書即売展覧会に参加しながら、細々と目録で商いをする古本屋さんのこと。七痴庵さんも、かつてはそういう商売をやっていたらしい。今は食道癌と闘いながら、軽妙洒脱な俳句づくりを遊んでいる。もうしばらくはご一緒に遊びたいものだと願っている。(12/01)

コメントは受け付けていません。