名も無い花を慈しむ人は、心やさしく思い清く、すべてに凛とした態度で接することの出来る、優しい人であると大方の人は思っている。そんなことはないのではないかと想定してみた。至極、納得が行くのではないだろうか。上手な嘘ほど、心に美しく入ってくる言葉はないだろうし、土壇場で一番必要とされるのも、上手な嘘ではないだろうか。凡人、名も無い花と摘む時には、何やら粗雑というか、無頓着というか、大切な繊細さを失っているように感じるのである。嘘の上手は大変な魅力というか、生きていく大きな武器でありそうだ。(8/21)