色物の白き靴下花辣韮

1970年代に頭脳明晰な噺家が幾人か現れて、それ以来、落語はただの笑ってストレス解消する芸能ではなくなった。「おいおい、落語を聞いてて笑ってちゃいけないよ」と諭されるというお笑い種が、現実のものとなったのである。座布の上に座って「ちょっと芸の価値が違うんでやんすよ」という立ち位置を取る連中に比べると、色物師には「こんな私ですが、信じるしかない」という、諦念のようなものが見えていっそ清々しい。
芸風によって「間」も千差万別で面白いことこのうえない。志ん生や伊東四朗を引き合いに出すのは可哀相にしても、違いを見ているだけでも充分に楽しめる。辣韮(5/25)

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