寒戻る路地それぞれの景色にも

「暖かくなって来ると、元気も出てきますよ」と、病み上がりであることを知っている人からは励まされる。けれど、突然に寒さがぶり返した日の散歩というのも、悪くない。勿論、空は晴れている。風は吹かない。正午近くなると気温も上がる。着膨れしている。歩く速さも、遅くなるが(「速さが遅い」というのは、何かもっと巧い言い方が出来ないものか。といって、「歩くスピードが」と安易に外来語に逃げたくはないし)、それ故の発見もあるろうというもの。こんな新興の住宅街でも、往還を一歩入ると、それなりに味わいのある路地が縦横に走っている。曲がった途端に、違った表情を見せる。いや、違っているはずだと言いきかせて、僅かな違いにも過大解釈をしようとしているのかもしれない。そこのところの頭の働かせかたが肝心なのである。寒戻る(2/4)

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