5年経って,10年経って、100年経っても色褪せないというのが、優れた作品の条件だと言われている。その通りだとも思う。その時の時事・人事・風俗を題材にしたものは、その事実が忘れられると、作品の含意も理解されなくなってしまう。経年劣化し易いということだろう。けれどその事は、その時においてこそ強いインパクトを持っていたとも言えるのではないだろうか。自衛隊員が、消防隊員が、医師が、看護師が、一心不乱に活動している様子を見るにつけ、自分の無力に胸が痛む。ひとつの作品が残ることより、一人の人間が行き続けることの方がずっと大切なのだと、当たり前のことが痛感される。(4/1)