太平洋春の砦を奪いけり

リアルタイムに遭遇した大惨事を詠むことなど俳句の役割ではない、という人もいるだろう。けれど、この驚きに叫び声を上げない訳にはいかない。直後にニュースで知った東北地方での惨劇は、痛ましいを遥かに通り越している。土曜日の朝現在、被害がどこまで拡大するのか、想像さえできない。僕が経験したのは、東京のオフィスビルでの揺れる恐怖だけだったが、地震そのものより、津波の方がより大きな被害をもたらすものらしい。家が流れてゆく。なんということだ。この時間は記憶しないわけにはいかない、平成平成二十三年三月十一日午後二時四十六分。(3/12)

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