頻尿を灯台が守る冬の部屋

まったく老いるとは、こういう煩わしさと付き合わねばならぬのかと、忸怩たる思いにさせられている昨今。夜中に2~3回はトイレに起きるのである。いわゆる頻尿と言うやつである。エ~イ、腹が立つ。寝室から出ると、至る所に赤い灯、青い灯、黄色い灯が点滅しているではないか。こう書いてみて、フランク永井の名曲「俺は淋しいんだ」を想い出してくれる人は少ないんだろうな。それらの灯りは安全を知らせてくれる訳でなく、行く方向を導いてくれる訳でもない。まったく役立たずで、やたら小うるさく点滅する灯台守のいない灯台のようである。こう書いてみても、木下恵介監督の名画「喜びも悲しみも幾年月」の主題歌を想い出してくれる人も、やっぱり少なくなっているんだろうなあ。悲しいなあ、淋しいなあ。それにしても、時計も、オーディオも、コンピュータも、どうしてあんなにたくさんの灯りをチカチカさせているんだろう。そのおぞましさを、夜中に起きて思い知らされるなんて、嗚呼、自責の念でいっぱいであります。(1/30)

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